序章ーOverture



今夜は特別の夜だ。すべての猫たちが浮き足立っている。
今日ばかりは誰も彼も、そわそわとして落ち着かない。
あのマンカストラップですら、どこか受け答えが上の空だ。

それもそのはずだ。

今日は、ジェリクル・ボール。

1年に一度、天上の世界に行かれる、ジェリクル・キャッツが選ばれる日だからだ。

猫にとっての最高の栄誉。最高の、名誉。
誰もがそれを望んでいる―と、思われている。

さあて、全員の心内は知らないが。
ひとつだけ、知っていることがある。


俺は違う。


なぜかって?
みんな言ってるじゃないか、俺は天邪鬼だから―さ。


       


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