ホリー・ガーデン


著者:江国香織
出版:新潮文庫
ISBN:4-10-133914-7


ティーカップを持たない、甘いものを食べない果歩と、
美術の教師で、自分を鍛え、水泳に励み、大またで歩く静枝。
高校までの同級生で、いつも一緒で「知りすぎてしまった」ふたりの、
「大人になった」今の友情。

知りすぎてしまったが故に触れてはいけないような、
それでいて触れなければならないようなタブーが増え
言葉にできない傷が増え
それでも相手が大事なことに変わりはなくて。
なんだか、本当は何処にでもありそうなふたりの関係です。

そこに、果歩を慕う「忠犬サト公」こと中野君(笑)が加わり
こう着状態が少しずつ動き始め、変化し始めます。

どこにでもありそうな話だけに、
誰でもがどこかに「陰」を持って生きているのだということを
江国さんはいつも感じさせます。
そしてその中に幸せを見つけることもできるのだということを。
ちょっとした日常のちょっとした「陰」の中に、
ちょっとした幸せが「でん!」と居座っているのです。

普通の眼鏡屋さんの店員の果歩と中野君、
普通の美術教師の静枝。

どこにでもありそうで、共感しながら読んでしまうこと請け合い。
自分の女友達の話のような気がします。
読んだ後のちょっとした幸福感が大好きです。


     


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