著者：David Guterson
出版：BLOOMSBURY
ISBN: 0-7475-4655-X
私はあいにくペーパーバック版しか持っていないので、日本語版の詳しいことがわかりませんが
「ヒマラヤ杉に降る雪」という題で日本語になっているはずです。
カバーを見て分かると思うのですが、工藤夕貴さんが同名の映画に出演されました。
相手役は確かイーサンホークだったと思います。
この話は、第2次大戦前後のアメリカにおける日系移民の話を書いています。
イーサンホーク扮するイシュマエルと、工藤夕貴扮するハツエが淡い初恋を第2次世界大戦によって
日系移民だというだけで引き裂かれ、ハツエは同じ日系移民のミヤモトと結婚することになるのですが
お話は単純なラブストーリーではありません。
ミヤモトとハツエが結婚した後の、ミヤモトが裁判にかけられるところから話は始まります。
イシュマエルの回想を通して、日本との戦争によって日系移民の人々が受けた差別、
強制収容所への収監や前線への出兵、
その後に残された色濃い偏見とそれをなくそうとする人々の努力
そういったものがつぶさに描かれています。
映画も観ましたが、色のすくないどちらかと言えばモノトーン調のスクリーンでした。
鮮やかな色の描写があまりなく、
本当に冬にしんしんと降る雪の白さと、黒々とそびえ立つヒマラヤ杉とが
対照的な、そんなイメージを持たせる画面です。
