傷を押し広げるようにして 錆びた鉄の塊が
食い込んでくる
蒼褪めた微笑を 浮かべたその瞳の奥に
口唇から零れ落ちる 錆びた爪の欠片
纏わりつく紅く熱い 温もりが流れ落ちてゆく
生温い朱の煙の中で 黒い天鵞絨のドレスに
優しさを忘れた白磁の肌を包み
光を亡くしたその笑顔は 氷の微笑
十字架のにつけられた この身に打ち込まれる
手足を釘付ける 優しい痛み
左の脇腹には その死を宣告せしめる
鈍い銀の光
甘いデセールのようなトカイを口にして
双眸に宿るはずの光は ただの黒い孔と化す
幻に脅えて 立ち尽くす立像
記憶の欠片を閉ざしたままで震えて
途切れた記憶を重ねる 変わらないはずの夢に
瞬間(とき)は戻ることなく 暗黒星雲(心の闇)に静かに
消え(フェイドアウトし)てゆく すべてを失って
紅の薔薇が静かにその色を喪い
蒼く温もりを失ってゆく 心に触れる冷たさに
身を震わせながら なお
その色が流れ落ちる様を 愉しみつつ
揺れ始めた 旋律の中
乱れ踊る さざめきの波間に
壊れ始めた心の欠片を 繋ぎ合せる
朱にまみれた 蒼い指先
見えない夢に踊らされて
幻のピースを探し彷徨う
(一部引用「RustyNail」 by X japan)
07/03/'02